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うつ病の原因と治療(その2)

うつ病以外の精神疾患による抑うつ状態

これが意外に見落とされているケースがあります。
抑うつ状態は統合失調症双極性障害といった、うつ病以外の精神疾患でも起こります。
このような場合は、抗うつ薬ではなく抗精神病薬、気分安定剤で治療しなければなりませんので、やはり専門家の診察を受けることが必要です。

うつ病と気分変調症

気分変調症は、慢性的で軽度な抑うつ状態、生活全般にわたって興味の消失や何事も楽しめないという気分とともに、以下のような症状が見られます。

食欲の不振または過食
不眠または過眠
疲労感の持続(倦怠感)
自分は価値がない、自信が持てない(自尊心の低下)
自己嫌悪感や罪悪感を伴う
集中力の低下
決断を下すのが困難
絶望感を覚える


 これらの症状のうち、少なくとも2つの症状を常に呈し、それがほぼ毎日続き、途中で普通の気分の期間があっても、2年以上症状が続きます。気分変調症の特徴として、気分の落ち込みや、気力や集中力の低下など、うつ病特有の抑うつ気分はみられるものの、楽しいことがあると一時的に気分が明るくなる「気分反応性」が見られることから、定型うつ病とは異なっている点です。

 いま、うつ病が急増していて治療を受けている人が多い中で、「医者からもらっている薬を長年飲んでいるが、なかなか良くならない」という患者の中には、気分変調症に罹っている人も決して少なくありません。
日常的な憂うつ感、くよくよした気分を病む、生活上に喜びを感じない、不適切な思い込みがみられるなど、これらの症状が他の精神疾患では説明出来ない場合、気分変調症と考えるのが妥当と思われます。

気分変調症の疫学

 気分変調症の生涯有病率は約6%で、時点有病率は約3%と言われます。人口の約6%は、16~17人に1人の割合でこの病気にかかっていることになります。また女性では、男性の2~3倍多いとされていますが、小児では性差がないと言われます。さらに、気分変調性障害患者の家族の84%に大うつ病などの気分障害があるとも言われています。

抑うつ症状の治療はSSRIだけでは不十分

ここが一番大切な部分ですが、抑うつ=セロトニン不足と実に短絡的な誤解が世の中に蔓延しています。
抑うつの原因は多彩で、治療方法も一人一人違ってきます。この点をよく理解しないと「うつ病」の治療は進みません。

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不眠症(睡眠障害)の原因と治療(その2)

不眠症の治療のポイント

①原因疾患を突き止めて、その病気に応じた治療が必要。

 他の科で不眠症治療を受けている患者さんに共通してみられる失敗例は、原因疾患を分析せずに、単に睡眠薬を無差別・無制限に処方されていることです。

②病的でない不眠症には、生活習慣の改善を第一に考える。

 病的ではない不眠症には、前記の悪い生活習慣を改めることを第一の治療とします。その上で、正しい睡眠習慣を身につけるための補助的な役割で睡眠薬を処方します。

③治療が順調に進めば、早期に睡眠薬を中止して、依存症を予防する。

 上で述べた無差別・無制限な睡眠薬の処方で、睡眠薬依存症に陥っているケースも多くみられます。このような失敗は初期からの正しい治療で防げたはずです。

④繰り返しになりますが、「不眠症には睡眠薬」という誤った治療をしない!

 不眠症の影には、躁病、うつ病や統合失調症などの精神疾患が隠れていることがしばしばあります。このような場合は原因疾患の治療をまず優先しなければなりません。

不眠症は脳機能が弱っている事の現れです!

脳は働いて疲れると自然に眠るのではなく、脳を眠らせる「睡眠中枢」が働いて、一定のエネルギーを使って眠っているのです。ですから、脳機能が低下すると、共通の症状として不眠症が現れやすくなります。

睡眠障害のメカニズム



一般によく使われている睡眠剤には、睡眠中枢から睡眠信号を伝達するGaba(ギャバ)の働きを強める薬効成分が含まれています。
しかしこの治療は根本的な原因治療でないことを忘れてはいけません。

不眠症(睡眠障害)の原因と治療(その1)

不眠症の原因は多彩です!

「不眠症」と一口に言っていますが、その症状・病型・原因は多岐に分かれます。
大雑把な表現をすれば、不眠症とは心の病の共通症状。風邪の発熱と同じです。
ですから、不眠症が有る方は、自分に心の病が隠れているのだとお考えください。

不眠症の様々な症状

①ベッドに身体を横たえても眠れず、ごろごろ寝返ったり眠ろうと焦る。
②夜中に途中で目を覚まし、再び眠ろうとするがもう眠れない。
③朝早く目覚めてそのあと普通に起きる時間まで眠れずにいる。
④眠りが浅くて、ずっと夢にうなされているような半眠半覚醒が続く。

このような不眠症の方の多くで、睡眠と覚醒の日内リズムを作るホルモンバランスが乱れています。

不眠症を悪化させる生活習慣の例

①ベッド・布団にはいる直前までテレビや映画を観ている。
②布団の中でパソコンや携帯電話の強い光を見ている。
③眠気がくるまで、何時まででも、何かの活動を続けている。
④眠くなる前にテレビや映画を見ながら時間を潰している。
⑤音楽やラジオ番組を聴きながら眠る癖がある。
⑥寝る前に激しい運動をしたり熱いお風呂に入ったりする。
⑦電灯や蛍光灯の灯りをつけたままで眠る癖がある。
⑧パソコンや携帯電話を使いながら眠くなるのを待っている。
⑨夜に仕事や生活の重要なことや解決困難なことを話し合う。
⑩長い昼寝をしたり、夕方早く寝て夜間に目覚める癖がある。
⑪寝始める時間がいつも習慣的に深夜の12時を超えている。
⑫夜間活動が多く昼夜逆転した生活が身に付いてしまっている。

不眠症の原因疾患

①躁病やうつ病などの気分障害 
②適応障害などのストレス障害 
③自閉症などの発達障害 
④認知症など器質的障害 
⑤薬物等の依存と離脱症状 
⑥統合失調症

また不眠症(睡眠障害)を症状で分類すると

①寝付きの悪い「入眠困難」タイプ
②夜中に目が覚める「途中覚醒」タイプ
③朝早く目が覚める「早期覚醒」タイプ
④夢にうなされ続ける「熟眠欠如」タイプ

と、これらの混合タイプに分かれます。

このように、不眠症(睡眠障害)の原因は様々で、根本的な治療が行われないと
漫然と薬を飲み続けることになり、最悪の場合、薬に対する依存性が出てしまいます。


うつ病の原因と治療(その1)

 うつ病の原因には諸説ありますが、私たちが現在考えている病因を、ありきたりの解説ではなく現実的に3項目に整理して解説してみます。

(1)挫折によるうつ病

(2)ストレスによるうつ病

(3)体の衰えによるうつ病


詳しくはこちらのページに書かれていますので興味のある方はご覧下さい。

【1、挫折によるうつ病】

◎失恋や試験の失敗などが原因でうつ状態に陥るケースで、若い人たちに多いので『新型うつ病』などと呼ばれることもあります。精神科医の中には古典的な内因性うつ病とは原因や経過などの病態が異なるために、この病態をうつ病とは考えない人もいますが、私たちはうつ病の発病メカニズムが一致しているのでうつ病に含んで良いと考えています。

◎少し難しい話になりますが、『うつ病の原因』の一つには、私たちの脳幹部(=脳の奥底の中心部)にある『外側手綱核』という場所が機能に変調をきたすことが上げられると、私たちは考えています。

◎『外側手綱核』の主な機能は、期待が裏切られたときに、その行動を禁止して同じ失敗を繰り返さないように、大脳皮質に指令を送ることだと研究されています。つまり、何かを期待して、期待通りの結果が出ないと、外側手綱核がその行動を禁止する指令を大脳皮質に送るのです。

◎職場で繰り返し厳しく叱られたり、何をやっても自分は駄目だとガッカリさせられたり、繰り返し何かに失敗して挫折感を積み重ねることで、外側手綱核の神経細胞の機能が変調して、禁止信号を出し続けるようになってしまった状態が、このタイプのうつ病と『気分障害』の発病メカニズムで、原因が外部との関係にあるので、正しくは『適応障害』と診断するべきかも知れませんが、新型うつ病の本体だと考えています。

◎この状況の患者さんは『周囲のせいで自分はこうなった』との他罰的感情を併せ持つことが、従来のうつ病と異なる点です。

【2、ストレスによるうつ病】

◎このタイプの方は都会部で精神科・心療内科の外来を訪れるうつ病患者さんの中では一番多いパターンのようです。長時間労働や休憩時間のない頭脳労働、さらには自宅に持ち帰ってまで仕事に追われたり、自営業で常に仕事が頭から離れない方…発病の背景は様々ですが、このような長期間の重課ストレスに曝されるのが発病の原因です。

◎ストレス状態では、体内でストレスホルモンの副腎皮質ステロイドが大量に生産されて、そのホルモンの影響で大脳皮質で神経細胞の連絡接点である『シナプス』が減少して、さらには神経細胞の働きも遅くなり、『頭が回らない』『脳が働かない』という自覚症状が出現します。また、記憶中枢である海馬の働きも悪くなり、物忘れや単純な間違いが増えてきます。

◎この発病初期に正しい治療を開始すれば軽症で済むのですが、さらに無理を続けると、論理的な思考能力が低下して仕事上のミスなどが多発するようになります。仕事でミスを重ねると(1)のケースと同じように自分は駄目だとの挫折感が増加して、外側手綱核の機能変調をきたす結果に陥ります。

◎外側手綱核が変調すると(1)の挫折によるうつ病の場合と同じように、意欲の低下と憂鬱な気分が増加して、うつ病の病態になります。この場合は、うつ病特有の『自分が悪いからこうなった』と自責の念が前面に出やすくなります。

【3、体の衰えによるうつ病】

◎このタイプのうつ病が古典的に『内因性うつ病』と呼ばれていた病態と概ね一致しています。私たちは『更年期うつ病』とほぼ同じだと考えています。性別的には女性により多く、30代から60台に発病のピークを見ます。

◎女性は更年期になると女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量が急に減少しますが、エストロゲンには神経細胞の連絡接点であるシナプスと脳神経細胞の働きを保護する力があります。したがってエストロゲンの急激な減少は脳の機能低下となり、記憶力が低下して思考力や判断力が衰えるために、日常生活や仕事上の失敗が増えます。ここから先は(2)のケースと同じ道筋をたどり、外側手綱核の機能変調をきたして『内因性うつ病』に陥ります。

◎男性の場合は、テストステロンという男性ホルモンがエストロゲンに似た脳神経保護作用があるので、男性更年期でもよく似た病態が起こり得ますが、女性ほど顕著ではありません。さらに、より高齢者では、脳神経そのものの機能が老化によって低下することがあるために、老人性のうつ病が発生します。このような症例もこのグループに分類できると思います。

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精神科医師 林隆博

Author:精神科医師 林隆博
静岡県の精神科医師です。企業のストレスチェックを引き受けています。

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